東京医科歯科大学インプラント同門会第7回総会・懇親会のご報告

2016年1月17日(日)13時より歯学部特別講堂にて第7回総会が開催されました。

今回は、鈴木章弘先生,宗像源博先生, 並びに仙台よりお越しいただいた山田将博先生の3名にご講演を行っていただきました。
名誉会員である榎本昭二先生(元東京医科大学第二口腔外科教授・インプラント治療部部長,東京医科歯科大学名誉教授)を始め春日井昇平先生,塩田真先生,立川敬子先生等々多くの先生方にご参加をいただきました。

13時 総会
始めに会長・岡田常司先生から昨年より導入した同門会研究奨励賞や新役員等についてのご説明があり,続いて山口先生による会計報告が行われました。各議題は全会一致で承認されました。
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その後,塩田先生から12月3・4日に本学主催にて開催される「日本顎顔面インプラント学会総会」(http://www.jamfi.net/についてのご案内がありました。
今回(第20回)の日本顎顔面インプラント学会は東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学分野が主幹となります。
同門会会員の先生方の積極的な学会参加(出席・演題発表等)をよろしくお願いいたします。
学会準備・運営に際し,ご協力をお願いさせていただくこともあるかと思います。その際は可能な範囲でご助力いただければ幸いです。

13時20分 研究奨励賞受賞講演 鈴木章弘先生 
「上部構造の固定要式がインプラント周囲炎のリスクファクターとなるか」
インプラント周囲炎におけるリスクファクターとして,上部構造の固定要式がどの様に影響するかという観点からの研究発表を行っていただきました。セメント固定には,縁下セメントの取残し,仮着セメントの溶出による維持力低下等の問題がありインプラント周囲炎の大きな要素と考えられているようです。このため現在はスクリュー固定が主流となってきているとの報告でしたがセメント固定が主流であった時代の(一回り上の)先生方には多少驚きをもって受け止められていたようでした。

13時50分 宗像源博先生 ご講演 
「インプラント周囲炎 ~ダークサイドに堕ちないために~」
宗像先生からは,冒頭で先日講演に行かれた中国の様子や,歯科心身症の患者さんについてのお話があり,続いて本題であるインプラント周囲炎についてご講演いただきました。周囲炎発生機序についての従来の説の真実に反する事実や問題点と,宗像先生の研究から明らかになってきた実際の発生機序,並びにインプラント周囲炎を生じさせない治療計画の考え方について斬新かつ本音のお話が多く,日々の臨床での考え方の整理が出来た先生も多かったことと思います。スクリュー固定の場合にアバットメントがインプラント体に直接接合・荷重することの問題とこれを解決するために現在開発している新たな製品についてもお教えいただきました。

15時20分 山田将弘先生 ご講演 
「インプラント表面性状の理解:骨結合から軟組織付着まで」
山田先生からはインプラントの表面性状に関する内容についてお話しいただきました。近年,様々な表面性状を持つインプラント体が各メーカーから発売されています。果たして何が有効なのか,またどのように考え選べばよいのか。山田先生ご自身の研究成果,並びにそこから見えてきた有効な表面性状の要件やその見極め方等について詳細な実験データをもとにお話しいただきました。中でも未だ誰も実現出来ていないインプラント体と歯周繊維の結合能を持つインプラント体の開発に向けた大胆で精力的な試みには様々な質問がありました。歯周繊維によるヘミデスモゾーム様の封鎖能を有したインプラント体の実現も夢ではないと強く感じさせてくれるとても興味深いご講演でした。

16時40分 オークラカフェ&レストラン メディコにて懇親会
今回は,春日井先生,立川先生もご参加いただき,名誉会員である榎本昭二先生のご挨拶をスタートに、16時40分より懇親会を開催いたしました。冒頭,今月3日にご逝去された顎顔面外科・原田清教授のお話やインプラント外来創設時のお話もあり,様々な世代の先生方が20年の年月の経過を実感できたひと時となったのではないかと思います。懇親会を通じて新たに世代を超えた気脈が通じる様子は同門会の一番の存在意義ではないかと回を重ねるたびに感じております。残念ながら今回お会いできなかった会員の先生方も是非夏にまたお会いいたしましょう。次回総会を楽しみにしております。